学歴と起業のミクロ分析
ミクロ経済的な分析を学歴と起業の相関性においてしていきたい。
日本の優秀な大学生は、起業などのリスクを犯すコストが非常に大きい。新卒で大きな会社に入る便益が大きく存在しているからだ。
その為、その便益がそれほど大きくない学歴に強みを持たない層が起業に走りがちだ。コストがそれほど大きくないからだ。
また、東大など非常に優秀層であれば、自分に強く自信を持っている為、この大きなコストに恐れず起業などのリスクをおかせる。
そのため、慶應という、それほど自信を持たず、また学歴により得られる便益がある程度大きい大学の学生は非常に保守的になり起業に走りたがらない。大企業に多くがいきがちである。
このようなある程度優秀層というのを、如何に起業などのリスクをとった、グローバルエリート、次世代を担う人材、日本を背負う新技術の生産者、にしていくか。
制度設計に問題があると考える。例えば、新卒以外でも会社が人材をより取るようになれば、学生は一度起業などのリスクを負い、失敗した後も大企業には入れるようになる。これは、起業による便益の損失を最小限に抑えることができる。
また、大学院なども広くこのような人材を受け入れる土壌をもてば、更に起業などのリスクをとるときに生じる便益の損失を抑えられる。
これは、すべてアメリカでもやっていることだと思う。日本の、新卒のみとり生涯雇用を保証する文化が経済の大きな足枷になっている。